つみたてNISAとビットコイン積立の違いを比較
「積立」という言葉から、つみたてNISAとビットコインの積立を混同してしまう人がいますが、この2つは制度としてはまったくの別物です。今回は、税制・投資対象・リスクという3つの観点から違いを整理しました。
そもそも制度としての位置づけが違う
つみたてNISAは、国が用意した「税制優遇制度」です。新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円まで利用でき、生涯で1,800万円まで非課税で投資できる枠が設けられています。一方、ビットコインの積立は、暗号資産取引所が提供する「買い方の一種」にすぎず、国の税制優遇とは無関係です。同じ「積立」という言葉を使っていても、そもそも属しているカテゴリが違います。
最大の違いは税金の扱い
NISA口座内で得た利益(値上がり益や分配金)は非課税です。一方、ビットコインの利益は「雑所得」として扱われ、給与など他の所得と合算した総合課税の対象になります。所得が多い人ほど税率が上がる累進課税のため、利益額によっては税負担がかなり大きくなる可能性があります。ビットコインの確定申告についてはビットコインの確定申告のやり方で詳しく解説しています。
損益通算・繰越控除にも違いがある
NISA口座の損失は、そもそも税制上「無かったこと」として扱われるため、他の口座との損益通算はできません。ビットコインの雑所得も、給与所得など他の所得区分とは損益通算できず、翌年以降への損失の繰り越し(繰越控除)も認められていません。どちらも「損が出た時の救済策が薄い」という点は共通しています。
投資対象とリスクの違い
つみたてNISAで購入できるのは、金融庁が定めた基準を満たす投資信託などに限られており、比較的分散が効いた商品が中心です。対してビットコインは単一の暗号資産で、株式や投資信託と比べても値動きが大きく、短期間で数十パーセント上下することも珍しくありません。積立という買い方自体は共通していても、値動きの荒さはまったく別次元です。ビットコイン特有のリスクはビットコイン投資のリスクと注意点にまとめています。
どちらを選ぶべきか
優劣の問題というより、目的が違うと捉えるのが実態に近いと思います。老後資金など長期の資産形成の王道を求めるなら、税制優遇のあるNISAを軸にするのが合理的です。一方で、値上がり益を狙って少額からリスクを取ってみたいという場合は、ビットコインの積立が選択肢になります。制度としては別物なので、両方を並行して行うことも可能です。自分の目的に合わせて使い分ける、という視点で考えるとよさそうです。